ネイリストになるには①ネイリスト検定試験と資格取得のメリット

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ネイリストになりたいと思った時に、選択肢として考えるのがネイルの資格を取得するかどうかという事だと思います。


ネイルの資格は国家資格ではないので資格がなくてもネイリストになる事ができます。


ですが、私の個人的な考えとして、職業としてネイリストという仕事につきたい場合は、資格をとる事のメリットが大きいので必ずしも全てのネイルの資格を取得する必要はないと思いますが、基礎知識を学ぶレベルの資格は必須で取得した方がいいと考えています。


この記事ではネイリストを目指すにあたって資格をとる事のメリットを私なりに書きたいと思います。

 

まずはその前に前提知識として、ネイルの資格にはどんな種類があるのかをご紹介致します。

国内の有名なネイルの資格には下記があります。

・JNECネイリスト技能検定試験
・JNAジェルネイル技能検定試験
・JNA認定ネイルサロン衛生管理士
・JNAフットケア理論検定試験
・JNECネイル知識検定
・JNA認定講師資格試験
・ソネ研ネイルケアマイスター試験
etc…


JNECとJNAの検定試験

日本国内で最も認知度の高いネイルの資格は、

日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)の主宰するネイリスト技能検定試験

日本ネイリスト協会(JNA)が主宰するジェルネイル技能検定試験があります。


JNEC(Japan Nailist Examination Center) ⇒ ジェネック
JNA(Japan Nailist Associationの略) ⇒ ジェイエヌエーと読みます。


ネイリスト技能検定試験は、元々はJNAが実施していましたが、2008年から検定試験の運営と資格認証を専門に行う機関としてJNECが設立されました。

ネイリスト技能検定試験は、国家資格ではないものの内閣総理大臣に認められている資格になります。

 

ネイリスト技能検定試験とはどんな試験?

まずはJNECのネイリスト技能検定試験からご紹介します。

この試験は、ネイルの正しい知識と技術の向上を目的とした検定試験で 3級・2級・1級の資格があります。


3級試験合格者は2級試験の受験資格が与えられ、2級合格者は1級試験の受験資格が与えられます。

ですので、いきなり2級や1級を受験するという事ができず、まずは3級資格を取得するところからがスタートとなります。


全級共に実技試験筆記試験があり、実技試験に関してはハンドモデルまたは認定モデルハンドが必要になります。
(2023年8月時点)


ネイリストになるために私が取得をおすすめする資格は、
このJNECのネイリスト技能検定試験3級です。


ここからは、3級・2級・1級を取得する事のメリットなどを書いていきます。

 

ネイリスト技能検定試験3級

3級のレベルは、ネイリストベーシックのマスターです。

ネイルケア、ネイルアートに関する基礎的な技能や知識が要求される試験となっています。


基本のテーブルセッティングやお道具の扱い方、ネイルケアやカラーリング、アートの工程などを習得します。


すべてのネイルの基礎となる技術や知識ばかりです。
資格を取得するしないに関わらず、ネイルを仕事にするならば絶対に知っておいて頂きたい必須の内容です。

なので、同じネイルの勉強をするならせっかくなので資格を取得されたほうが良いと私は考えています。


3級を取得するメリットは、、、

・技術や知識の証明ができて自分に自信がつく
・TATや,ネイルパートナーなど大手の商材屋さんで
 プロ用ネイル商材を卸価格で購入する事ができる
・ネイルサロンの採用条件になっている事が多い
・サロン開業する際、お客様にとっての安心材料になる
・爪の病気や衛生管理などの基礎知識を身に付けられる


実際に私がサロンで勤めている時、お客様から電話で
『スタッフさんはネイルの資格を持っている方ですか?』
と問い合わせがあった事があります。


私の個人的な考えとしては、ネイルのサロンワークをするのであれば3級程度の知識は必須なので取得するメリットの大きい資格だと考えています。


ゆくゆく講師の仕事をしたいと思っている場合や将来の方向性によってはこれよりも上位の資格取得が必要な事もあります。

続いて、ネイリスト技能検定試験2級についてです。

 

ネイリスト技能検定試験2級

2級のレベルはネイルケアのプロフェッショナルです。

サロンワークで通用するネイルケア、リペア、チップ&ラップ、ネイルアートに関する技能及び知識が要求されます。


検定内容は、3級の内容にチップ&ラップというリペア技術(亀裂の修復などの技術)が加わります。

現在、このチップ&ラップという技術はネイルサロンではほぼ行わない技術ですが、工程の中にはネイルを施術するにあたって必要な技術がたくさん含まれています。

チップ&ラップの工程の中で、特にサロンのネイル施術で使うとても重要な技術は、①チップ装着②ファイリング③フォルム形成です。
すべて必要な技術ではありますが、特にこの3つを理解できているとサロンワークにも活かす事ができます。


①のチップ装着の技術は、サロンでお客様のお爪の長さ出しをする時に必要です。

長さ出しをする方法は、チップ装着の他にアクリル材料やジェルを使ったスカルプチュアというものがありますが、スカルプチュアは習得するまでかなりの練習を必要とする事とチップ装着の長さ出しより施術に時間がかかってしまいます。

その為、時間短縮やスタッフの技術にバラつきが出てしまう事を避ける意味でも、スカルプチュアより簡単で、比較的技術を統一しやすいチップで長さ出しをしているサロンが多数です。


②のファイリングはお爪のフォルム形成をする時にも必要な技術になりますが、ジェルネイルをオフをする際は、ファイル(やすり)でジェルを薄く削るという作業を行います。
マシーンを使って削るサロンが多いですが、マシーンがない時や細かい箇所を削る時などはファイリングの技術が必要になります。

また、ジェルネイルを塗布する前のプレパレーション(下準備)の際、サンディングというお爪の表面に傷をつける作業はファイリングの技術が必要です。

今、ジェルオフやサンディングはマシーンがあれば作業する事ができますが、マシーンがなくても施術できる技術や知識はネイリストとして身につけておきたいものです。


フォルム形成について
フォルム形成というと単に爪の形を美しくみせるためのものと思われがちですが、形の美しさはもちろんの事、お爪の強度にも関わる大切な部分です。
正しいフォルムのイメージが身に付く事で、ジェルネイルなどの持ちも変わってきます。

上記でお伝えしたとおり、
2級は、ネイルケアやカラーリングなど3級と同じ内容が含まれていますが、3級でできていた事は当たり前にできているという前提の上でプロ並みの仕上がりが要求されます。


2級を取得するメリットは、、、

3級のメリットにプラスして下記が考えられます。

ネイルサロンの求人では2級取得以上が採用条件になっているところも多いのでサロン就職をする時に選択肢が増えて選べるサロンが増える。

ネイルサロンとしては、2級を取得している人は、チップ装着などの技術や知識などがあるという前提で採用できますので新人研修で教える時間や手間を省けるというメリットもあり、採用条件になっていたりします。

また、当然自分でできる技術が増えるため2級を取得する事で自分の技術に より自信が持てるという事もあります。

 

ネイリスト技能検定試験1級

1級のレベルは、トップレベルの総合プロネイリストです。

イクステンション、リペア、アートの総合的な技能及び知識が要求されます。


これまでの3、2級と違って、1級にはネイルケアの工程がなく、アクリル材料を使用したイクステンション(長さ出し)がメインの内容となります。


3級から一貫して全体の爪の長さや形を揃えるという事は意識して技術を行いますが、1級になると爪の長さを出して形を造形したものを全て揃えるという より高度な技術が求められます。

爪の長さを揃えるのはもちろんの事、厚みや横から見た形、日常生活に耐えうる強度のイクステンションを造形する事。

そして、3Dという立体的なアートの技術も学びます。


平面ではなく立体的に爪の形を見る力や全体を見る目が養われ、美しくて強度のあるフォルムの理解が深まるのが1級試験だと私は考えています。

現在はジェルネイルの需要が高くなっていますが、ジェルでも全体の形や長さを揃えるという技術やもちの良いフォルム形成は同じです。ジェル需要が高い今だからこそアクリルを扱えるネイリストはとても貴重な存在だとも思っています。

 


1級を取得するメリットは、、、

時代背景からみてジェルネイルが主流の現在は、アクリルを扱えなくてもネイルの仕事をする事ができます。

昔はジェルがなく、ポリッシュやアクリルが主流だったので そういう時代背景があり、検定は必要なのか?という議論が度々なされるのだとも思います。

ですが、1級はアクリルを扱うという事で、より強度のある亀裂補修や長さ出しができるようになります。ネイル材料もどんどん進化していますが、亀裂の補修はアクリルが一番強度がありますのでお客様に提供できる技術の幅が増える事は間違いありません。どの級も検定内容がサロンワークに直結するというわけではありませんが、それでもやはり土台があっての応用技術なのでやはり私は1級の勉強をして良かったなと思っています。

取得する事のメリットという観点から考えると、認定講師試験を受ける通過点になるという事と技術の証明ができて自信がつくという点が大きいかと思います。

講師の仕事がしたいと考えている場合は、技術はもちろんの事 自分の経験も含めて教えられる事が増えるので取得しておくと役に立つ資格です。また、ネイルサロンの面接の際には、1級を取得しているかどうかでその人の本気度や やる気を判断される場合もあります。


1級を取得しているからサロンにお客様がたくさん来るかというのは 残念ながらそれだけではあまり期待はできません。

サロンを選ぶお客様にとっては1級を取得している事より、笑顔が良くて愛想が良い、聞き上手など、それ以外の要素の方がサロンを選ぶ基準になっている事が多いです。

ただ、ネイリストとして働くからには技術力というのはあって当然 できて当然のもので、技術がなくて笑顔などができてもそれだけではお客様はついてくれません。

 

資格がなくても上手なネイリストはたくさんいますが、そういう人は必ず技術練習もたくさんしています。

1級を取得していないからアクリルの事はわかりません、なんてお客様に言えないですよね^^;

私は必ずしも1級まで取得した方が良いとは思っていないものの お伝えしたいのは、資格取得は個人の自由だけどプロとして働くからには相応の練習が必要であるという事です。

 

 

いろいろなお話をしましたが、資格を取得するしないに関わらず、1級の内容を学ぶ事によってできる事が増えるのは確かです。

・アクリルを扱えるようになる事によって強度のあるリペアができるようになる。
・お客様に爪の長さ出しをする際に、チップだけではなくスカルプを施すという選択肢が増える。
・3Dアートやエンボスができるようになる。

など、自分の技術の幅が広がります。

 

まとめ

今回は、ネイルの資格の1つであるJNECネイリスト技能検定試験について書きました。


資格を取得するとなるとそれなりの費用もかかってきますが、目標がある事で 練習のモチベーションの維持ができたりする事はあります。ご自身の状況などを考えてどこまでの資格を取得するのか総合的に判断して頂けたらと思います。

 

私なりに考えるそれぞれのメリットをひとつの参考にして頂いて皆さんのネイルライフを進めて下さいね^ ^

 

次回はJNAジェルネイル技能検定試験について書いていきます。

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管理人:ネイリストyuyu (ゆうゆ)

プロフィール

★詳しいプロフィールは ⇒ こちら

・JNA本部認定講師
・ネイルサロン衛生管理指導員

★受賞歴
・全日本ネイリスト選手権地区大会 西日本地区
 プロ部門フレンチスカルプ3位
・ANF2022 メンズネイルケア4位
・ANF2022 フリー部門フレンチスカルプ6位
・ANF2018 メンズネイルケア6位
・TOKYO NAIL EXPO2018 メンズネイルケア6位
・TOKYO NAIL EXPO2019 メンズネイルケア8位

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